ダンジョン飯 6巻 (HARTA COMIX)

ダンジョン飯 6巻 (HARTA COMIX) の詳細

5巻でも書きましたが、やはり作者は最初から設定を緻密に組み上げていた（もしくは巧みに組み上げてきた）感がいっそう強く、また面白さも増してきました。飯ネタもさることながら、個人的に感じたのは「なぜライオスがリーダーなのか」という疑問への回答。センシ・マルシル・チルチャック…いずれも癖の強いメンバーを（結果的に）まとめ上げ、ここまで引っ張ってこれたのか。…実は、それが「無神経」だったとは！その場の空気を読まない言動といい、飽くなき好奇心といい、深刻な過ちすら大して響かない態度。しかもそれが、単なるガサツさとか自分勝手ではなく、恐るべき前向きさと明るさに由来していた…というのは穿ち過ぎ？人の裏を読むに長けたカブルーですらアポーン…とさせ、渋めの武士を決めていたシュローをぶちギレ＋ガキの喧嘩へ突入させる…まさしく迷惑このうえないポジティブシンキング。（マルシルの悪夢の迷宮編でも、それが存分に発揮されている）で、結果的に人に敬遠されつつもライオス自身へプラスへ働く方向へ持っていく。たしかに世間並みな世界には馴染めないだろうし、いわんやヒーローでもない。でも、この複雑怪奇極まりないダンジョンを制覇するのは「ただの英雄」ではなく、彼のような人間でないと務まらない気がしてきました。なんのかの言って迷うことなく仲間のために身を呈するマルシル、チルチャック、センシをみていると、この人間にしてこのパーティーありという。——— ところで薄々感じてはいたのですが、ついにラスボスを倒すという大目標を（うっかり）ぶち上げてしまったわけですが…そのボスの消息らしきがなんと早くも2巻に隠されていたという。あの時はただのネタとして読んでいましたが、ここへきてきれいに繋がるところをみると、やっぱり狙っていたとしか思えず。あらためてダンジョン飯の奥深さに唸らされています。この先もきっとレベル上げとか神がかった必殺技とか出ないだろうし、ライオスらしさ(?)でいかに乗り切るか楽しみになってきました。追伸：毎巻マルシルを堪能するために買ってますが、今回はまさかのゼ●ダ姫に見えてしまった…あれ出したの誰よ！？